百舌の速贄



目を覚ましたら
右手の小指の爪が割れていた

この頃わたしは時々名前がわからない
わたしの名前 わたし

でも名前なんて必要だろうか
それはただの区別に過ぎないのに

でも区別しなくてはいけない
君が君でいる為に
わたしがわたしでいる為に

こんなにもわたしたちは似ていて
混じり合っているから

でも区別しても意味がないのに
君とわたししかここにいないのにね



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